イギリスEU離脱!離脱のメリットは?デンマークの反応は?
こんばんは。
マリアです。
今日午後にイギリスの国民投票でEU離脱賛成の人が多数となり、「ブレキジット(Brexit)」EU離脱が決定的になりました。
私たち夫婦の仕事にも大きな影響が出る出来事なので、この投票にはかなり注目していました。
私はとてもこのことについて複雑な感情があります。
それと、このニュースに関しての記事はイギリスがEU離脱で起きるデメリットばかりが書かれているように感じます。
なので、今回はEU離脱に関する3つのことについて書きたいと思います。
1.EU離脱に関する私の意見
2.デンマークの反応
3.イギリスのEU離脱のメリット
まず、私たち夫婦は自分たちのビジネスにとってイギリスのEU離脱はとても大きなデメリットになります。
私たちの生活や仕事を考えると、正直EU離脱はしないでもらいたいという気持ちがあります。
その一方、イギリスがEUから抜けたいという気持ちも同じEU加盟国のデンマーク人として非常に理解できます。
私もここ数年のEUの動きを見ていて、EUという仕組みにとても不安を感じています。
イギリスもデンマークもよく似た問題が起こっているからです。
まず、イギリスとデンマークはEUに加盟していながら共通のお金ユーロを使わずに自国のお金を使っています。
それは、お金をEUのユーロにしてしまうことでEUの一つの国で起きた経済の悪い状況を受けやすくなるという不安があるためです。
実際、EUはここ数年でかなり加盟する国を増やしており、中には経済が不安定な国もありその悪い状況に巻き込まれることをとても心配しています。
それと、もう一つが移民や難民への手厚い社会保障です。
デンマークは、最近自国にたくさんの移民を受け入れると宣言して、他のEUの国にもその負担を要求しているドイツよりももっと早い時期に、もっと手厚い社会保障で移民や難民をたくさん受け入れてきました。
イギリスも同じく移民や難民はかなり手厚い社会保障を受けることができます。
その分こういった保証は大きな税金の負担がかかります。
イギリスもデンマークも移民や難民が嫌いなわけではありません。
どころか、世界でもかなり移民や難民へ多くのお金や機会を投資してきました。
でももう移民や難民をこれ以上受け入れるお金や余裕がないのです。
例えるなら、イギリスとデンマークのエレベーターは重さが限界でブザーがもうとっくに鳴っているのです。
それをEUの規定とか義務ということでブザーが鳴っているエレベーターにさらに人を乗せろと要求しているのです。
どの国もまず自分の国の状況を安定させなければ、困っている人たちを助けることすらできません。
別のエレベーター(国)に乗るか、ブザーが鳴らないようになるまで待ってもらわないともう限界なのです。
そういった声を無視して負担を要求し続けるEUに不満がたまるのも仕方がないと私は思っています。
デンマークでもこのことはかなりの反響がありました。
あるデンマークの政治家のコメントです。
「EUがヨーロッパの国から力を奪いすぎた結果である。
明日も通常通りみんなの生活は続いていく。
だから騒ぎすぎずに少し落ち着くべきではないか?」
一方、「デンマークはEUでイギリスの分も頑張ります。」とコメントした政治家に対して「うちもEUを出るぞ」、「EUに残ろう」など離脱に関してのコメントが殺到しています。
これからデンマークでもEU離脱についての議論がかなり盛り上がってくることは間違いないでしょう。
デンマーク人やEUの国の人たちはそれに備えていろいろと考え準備していかなくてはいけません。
では私があまり書かれていないと感じるイギリスのEU離脱のメリットを考えてみたいと思います。
1.ポンド安で輸出が有利になる
ポンド安で他国への輸出企業に有利に働きます。
その結果、新たな輸出産業の発展の可能性や、すでにある輸出企業の強化が期待できます。
それにポンドが安いのでイギリスに前よりも旅行しやすくなります。
これは、取り組み次第でさらに観光に力を入れたりなどもできるのではないでしょうか。
2.EUの規則に縛られない
移民や難民の受け入れなど、自国の状況を無視してEUのルールを押し付けられて財政が厳しくなったりしていました。
これもEU離脱でイギリス国民がきめたとおりに政策を実行することができます。
3.そもそもEUあってのイギリスではない
これはいろいろなところで議論になっている話でもあります。
イギリスはEU加盟のおかげで景気が良くなったという主張が、EU残留が必要な理由の一つとされていました。
でも実はこれは間違っているという意見が多いんです。
経済に関する難しい話なのでここではEUを出たらイギリスが経済的に完全にダメになるというわけではないということを書いておきます。
それに、ノルウェーとスイスを見てください。
EUに加盟していません。
それでも2つの国がとてもうまくやっているのはみなさんも知っているはずです。
EUに入っていない国とは仲良くしないなんていうことはなく、EUではなくてもずっと同じヨーロッパの国なのですから今まで通りこれからも助け合って行くでしょう。
これからイギリスのEU離脱で経済にも大きな変化が起きてくるはずです。
でもその前に私たちは今グローバル化と非常に変化が速い資本主義という世界にいることを思い出してください。
円高、ポンド安などお金の価値や経済状況の変化は現代では当然起こることです。
特にEUはもう限界と感じている国がいつ抜けると言い出すかという状態だったのです。
その結果イギリスは国民全員にどうすべきかを確認して、ついに離脱となったわけです。
そしてそのような状態にまでなってしまった責任はEUの国全体に責任があることなのです。
この件でイギリスを責めるのは的外れだと思います。
正式に国民投票で離脱が決定して一気に世界は混乱していきましたが、これはもういつ起きてもおかしくないことなのは明らかでした。
このような混乱をこれ以上避けるためにも、EUは良くない仕組みを早く見直すべきです。
そして私たちはこの影響で起きる様々な経済の変化に対応できるよう考えて行動すべきだと思います。
私たち夫婦にも、デンマーク人としての私にとってもこのことはとても大きなニュースとなりました。
正直これから私たち夫婦のビジネスはこの混乱の対応に苦労することになると思います。
でもその一方、EUのデンマーク人として今回EUから離脱すると決めたイギリスの決断を尊重します。
また、いくつかの国が不満を持っていても実際に1番最初に離脱という決定をすることはとても難しく勇気のいることです。
デンマークが離脱することになるかはわかりませんが、多くの問題を抱えているEUという組織とどうかかわるべきかということを考える機会をくれた今回の出来事に感謝もしています。
同じEUどうしではなくなっても、すぐ近くの古くからかかわってきた大切な国であることは変わりません。
少しでもヨーロッパと世界が安定するようにこれからも協力できると信じています。
それでは次回もよろしくお願いします。
おやすみなさい。